皮膚の状態によっても表れる「たるみ」
皮膚のたるみが表れる要因は主に二つあり、ひとつは皮膚そのものに原因がある場合です。
一般に、若く健康な皮膚には伸縮性がありますから、体型の変化に合わせてある程度、伸び縮みをします。ですから少々太ったり痩せたりしたところで、皮膚がたるんでしまうということはありません。脂肪吸引でも同様です。皮下の脂肪を取り除くことで部分的にスリムにすると、その部分の皮膚は一時的にたるんだようになりますが、ある程度の時間をかけて少しずつ収縮していきます。術後の患部をきちんと固定しておけば、やがて皮膚はその場所に固定され、元通りのハリのある状態へと戻っていきます。
ですが、たとえば老化によって皮膚の伸縮性が衰えているような場合は、吸引後に収縮することができず、たるみとなることがあります。また出産時の妊娠線が残っているケースでは、皮膚が伸縮性を失っていることが多いので、これもたるみが起こりやすくなります。さらにもともと皮膚のハリや弾力が弱く、伸縮性があまりないという方もおられます。
これらの場合では、術後に皮膚のたるみが発生するリスクが高くなります。もちろん「必ずそうなる」というわけではありませんが、その可能性が高いということは覚えておいたほうが良いでしょう。
手術する部位によってもリスクは変わる
手術を施す部位によっても「たるみやすさ」は異なります。
たとえば太ももやヒップなどは、皮膚にも比較的ハリのある部分ですから、たるみは起こりにくいといえます。また施術範囲が広いこともあって、少々の脂肪を吸引除去したところで、たるみの心配はまずないでしょう。
ですがもともと皮膚がたるみがちな部分や施術範囲が狭い場合には注意が必要です。たとえば二の腕の裏側などです。
腕を持ち上げて触れてみれば判りますが、この部分は筋肉が細く、しかもあまり発達していません。そのため全体的に皮膚がたるみ気味です。よほど体を鍛えたアスリートであれば別ですが、通常ですと男性であっても「ポヨポヨしている」状態の方が多いはずです。
そこから脂肪を吸引除去するわけですから、吸引量を間違えてしまうとすぐにたるみが発生してしまいます。こうした場合には、どの程度の量までなら、たるみを起こさず吸引できるかを的確に見きわめることが必要になるのです。
適切な手術でたるみは回避できる
こうしたトラブルを回避するには、やはり経験豊富な医師の治療を受けることが第一です。さまざまな症例を経験した医師であれば、肌の状態や脂肪のつき具合、さらに患者様が望まれる結果などを総合的に検討して、たるみが起こらない安全な範囲での治療を施してくれるでしょう。
また老化やもともとの肌質などで十分な回復が期待できそうもない、という場合にはそれをきちんと伝えた上で、どのような治療が可能かを提案してくれるはずです。
美しさを追求する美容整形では、安全性とともにキレイで自然な仕上がりは欠かせない要素です。そしてその美しさを実現するには、一人ひとりの患者様にあわせた、ていねいな治療が不可欠なのです。私はつねづね「美容整形はオーダーメイドの治療だ」と申し上げていますが、その理由もご理解いただけるのではないでしょうか。
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